イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。 30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」マルコ12章29~30節
中島みゆきの「糸」という曲には「縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない」とあります。今月私たちの礼拝では「礼拝」をテーマにしていますが、礼拝にも縦糸と横糸があると思います。礼拝において縦の糸とは、神様と私がつながる糸です。そして礼拝において横の糸とは、私と仲間とがつながる糸です。礼拝はこの縦糸と横糸が織られ、紡がれるのです。
礼拝のプログラムを見るとそれを直接感じることができるでしょう。縦糸と横糸が織り重なるようにすすみ、布のようになっています。その礼拝は誰かを暖めうるかもしれません。傷をかばうかもしれないのです。
礼拝は縦糸と横糸とどちらも大事です。礼拝は神様と自分の関係を考える時、そして同時に仲間と自分の関係を考える時です。どちらかだけではなく、両方が大事です。今日は礼拝とは神様と自分の関係を考えることはもちろんとして、礼拝は人と人との関係を考える場所でもあるということを見てゆきたいと思います。今日の聖書を読みましょう。
当時の律法学者たちの信仰の中心は、神殿で犠牲を献げることでした。イエス様はその律法学者に一番重要なのは何かと聞かれて、神を愛することだと答えています。全身全霊、全人格、心と生活の端から端まで神様を大切にすることが大事なのです。神様を第一に大切にするとは、もちろん礼拝をすることとも言えるでしょう。それぞれの精一杯で礼拝しましょう。
31節にはイエス様は第二にと答えます。イエス様は選べないほど両方とも大事だからこそ、二つ答えます。イエス様が神様を愛するのと同じくらい大事だと教えたのは、隣人を愛するということです。イエス様は隣人を全身全霊、全人格、生活の隅々まで、大切にしなさいと教えています。すべての人、すべての命が私たちの隣人と言えるでしょう。私たちは神様からすべての隣人、すべての命を大切にしてゆくことが求められています。私たちは神様を愛し、大切にしましょう。そして私たちは他者を愛し、大切にしましょう。
イエス様はこのあと十字架に架けられます。十字架は私たちに、神を愛すること、そして隣人を愛することを強烈に指し示しているものです。私たちは礼拝でこの十字架を見て、どんな時も神を愛し、隣人を愛した主イエスを思い出せるのです。
私たちは今日の礼拝から1週間を始めました。神様を愛し、隣人を愛しましょう。神様を全身全霊で大切にする1週間、他者の命を全身全霊で大切にする1週間をこの礼拝から始めてゆきましょう。お祈りします。