「クリスマスの和解」マタイ2章1節~12節

 

学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。マタイによる福音書2章10節~11節

 

平塚バプテスト教会は佐々木和之さんのパネル展を開催しています。平日も会堂を開放してパネルを展示しています。ぜひご覧ください。佐々木和之さんはアフリカ・ルワンダで和解と平和のために働く、バプテスト教会のメンバーです。アフリカ・ルワンダでは1995年、3カ月で80万人の死者がでる大虐殺事件が起きました。佐々木和之さんはそこで虐殺後の和解と平和構築のための教育をしています。

パネル展で紹介できなかったのはムキザちゃんという名(ルワンダ語で「救い主」の意)の赤ちゃんのことです。この赤ちゃんは二つの対立し、殺しあった民族の間に生まれた子どもです。和解の象徴です。ムキザちゃんの周りを、様々な人が囲んでいます。被害者と加害者、その家族。皆、その子どもの誕生から勇気をもらっています。この赤ちゃんは和解と平和が実現可能なのだと、その小さな命で教えてくれます。今日の個所も小さな命を囲む場面です。この物語を「クリスマスの和解」として読んでゆきたいのです。

今日の聖書の個所を一緒にお読みしましょう。イスラエルから見て東と言えば自分たちを脅かす恐ろしい存在でした。さらにユダヤの人々にとって占星術とは詐欺、ペテンでした。東の方からきた星占いと聞いて、何ひとつよいイメージを持たなかったでしょう。

しかし博士たちは小さな国の小さな家に生まれた子どもを見つけ、拝み、貢物を渡したのです。この一人のこどもをきっかけに、対立の関係が平和の関係に変わります。その子の名はイエス、彼もまた「救い」という意味の名前です。ここでは共に一人の赤ちゃんを囲む喜びがあふれていたのです。彼らはともに子どもを囲み、ともに主イエスを礼拝しました。赤ちゃんを囲む礼拝、小さな命が大切にされる礼拝、主イエスの礼拝が起こったのです。

私たちの礼拝もそんな体験でありたいと思います。私たちの礼拝にも様々な人が集います。でも私たちもこどもを囲み、和解と平和の礼拝をささげたいのです。この子どもたち、そしてなによりも主イエス・キリストを囲んで礼拝する者となりたいのです。

そして私たちも毎週、この礼拝から派遣される者です。私たちはこの次の週を来た道とは別の道を行かされる者です。今までの1週間とは別の態度や別の姿勢、和解と平和の道に派遣される者です。その歩みのために、主イエスは私たちの下に生まれてきてくださったのです。クリスマス、私たちに、アフリカに、世界に、和解と平和が起こるように、祈りましょう。